
丸一年かけて全25号が刊行された「ジャンプ流」
全部買ってコンプリートしましたが……最後の最後に「荒木飛呂彦」号とはニクいですわ集英社も
まぁ30周年のタイミングに合わせたんでしょうがね


しかし25冊もあると場所の取り用が半端ないっすね~~
まぁ外箱を捨ててしまえばDVDと冊子だけなんで場所は取らないんですが……
それでもやっぱコレクション的というか見栄え的には全部箱で置いときたいというか
…というかジャンプ流を全部買った人がいったい日本に何人いるんでしょうかね?
「ヘタすりゃ100人もいないんじゃあないか…??」というのが勝手な予想ですが…
まぁ普通に考えて、大半の人が自分のお気に入りの作家の号しか買わないとは思うんですがね~
内容としては、最終号だけあってかたっぷり98分間という通常の倍もの収録時間
さらに複製原画も通常の倍で2枚入り、まさかの大盤振る舞い(?)です

以下、特に気になったところなど
冊子編
冊子に掲載されてるインタビュー、来歴などは
流石に質・両ともに”ジョジョベラー”とか”荒木飛呂彦の漫画術”とかには劣るんで
個人的にはそこまで目新しい情報はないっすね
でもまぁそれらが未読の人ならいいんじゃあないかなと
作画編
Q.ネーム、ラフ、下書きなどの作業工程で一番重要な、時間を使うポイントは?
①:構図とか表情
⇒正面を向いたまま去っていくのか、それとも少し俯いたまま去っていくのか
②:空間を作りたい、読者がそこにいるような感じになってほしい
⇒ガレージのシーンだから奥行きを出すなど
③:ただの立ちポーズにも”気品”が欲しい
⇒去るにしてもダラダラ去るのではなくスッと去っていく感じ。
・読者には本当に関係ないんだけどいろんな顔の向きを描くのが楽しい
⇒ちょっと角度が違うだけで目の位置などが変わるのが面白い
・表情で一番大事なのは目ではなく、口元
Q.定助のデザインを「歴代ジョジョと比べてこうしよう」などはあった?
①:セーラー服にすることによって「遭難者」「海に居たんだな」みたいなイメージに
②:水兵帽によって歴代ジョジョ(承太郎=学帽、仗助=リーゼントなど)と違うデザインに
⇒シルエットが大事で遠くに居ても理解る感じにしたかった
③:すきっ歯も同じ、定助の象徴性
荒「すきっ歯は難しい、ヘタすると下品になる」
「慣れると気にならないんすけどね」
編「後にまた重要な…」
荒「伏線にもなってるし」
編「新しい部が始まるとき、予告カットの主人公のビジュアルでみんなザワつく」
「仗助の時はリーゼントで衝撃的だった」
荒「そうすね~、あのときはもう……ダサさの象徴みたいな」
・キャラデザは基本変わらない
⇒変わったのは康一くん(の髪型)くらい
・康一くんや間田がどんどんチビになったのは漫画では10センチ程度の身長差だと並んだ時に理解りにくいから
⇒つまり絵的に身長差を理解りやすくするための誇張、描いてるうちのライブ感でもある
荒「(腰くらいまでチビにしないと)小さい人って理解らない」
・特徴的な丸ゴマは「コマをどうしても足したかったけど場所が無かった」から生まれた手法
⇒少年ジャンプ時代はページ数がキッチリ決まっててページを追加も減少も出来なくて困ってた
⇒昔(大体、5部中盤頃まで)はどこかに広告枠を入れないといけないのも嫌だった
※そのころの名残で、もう何十年も広告なんかないのに今でも「CM無し」の指示が書いてある

・ページ数はウルジャンに来てからの方がいい
⇒予定から±2ページとかでもOKしてくれるから
⇒(SBR頃から)19ページっていうリズムが合わなくなってきた
荒「どう描いても自然に21ページになっちゃう」
「毎週2ページ削ってたのが思い出」
「DNAが21なんですよね」
「(21ページになるのは)宇宙の法則で決まってるような気がする」
「19辛かったですよ~」
※編集さんによれば36ページずつ印刷する関係で19ページが都合がいいらしい
・曲線とか描きにくいところは全部サインペン、いつの間にかそういうやり方になってた
荒「黒けりゃいいんで」
「何でもいいんです」
Q.30年連載が続いているが、絵柄を意識的に変えたりしてる?
①:同じものを描かないようにはしてる(他の作家に比べたら)
②:時代によって重くしたり軽くしたりしてる
⇒初期は若さゆえか、勢い重視というか重量感みたいなものを重視してた
⇒今は軽やかなものを意識したり、白めのコマを入れたりして誌面にメリハリを
仕事場編
・玄関には馬、亀、石膏像、パピルス製のエジプト壁画など”ジョジョらしさ”を感じさせるアイテムが

・作業スペースには玄関に引き続き馬、つるぎの作画の為に自分で折ってみたカエルの折り紙、以前に語ってた美人の女の子が写ってるカレンダーなど


折り紙のカエルは作中まんまっすね~~
これがモデルだが当たり前っすけど
・何故かコミックス8巻だけ自分で持ってない
・最近はPCで仕上げ処理をすることも
⇒具体的には背景や自動車を写真で取って抽出したりする、人間の作画使うことはない
荒「リアリティがちょっと欲しかったりするんで」
・本棚にはドラゴンボール(JC)、ルーブル美術館の本、カウボーイの道具図鑑、船の輪切り図鑑など
編「輪切りのソルベの話は……」
荒「あれは関係ない、そういう芸術家が居るんですよ(笑)」
Q.キャラデザを考えるときは?
①:まずはシルエットから、一目で理解るように
②:漫画的には手首にリストバンド的なものが欲しい、それがあるといい
編「(花都を見て)先生のキャラの髪型っていつもこう、なかなか理解に難しい…」
荒「そうっすね、4次元とかを意識してます」
・恒例のキャラクター身辺調査書も引き出しから登場

・先生が気に入って作画の参考にしてる横顔

⇒これを超える美しい横顔が出てこないらしい。
A.”世間、読者に新しいものを見せる”こと
⇒それこそがジャンプの意味であり、ジャンプの伝統
⇒若い漫画家には”それ”を目指してほしい
たっぷり楽しましていただきました
てゆーか、仗助のリーゼントは実際にダサさの象徴として描いてたのか……
丸ゴマの由来なんかも驚きっすね~
プッチ神父的に言うと「追い詰められた必死さが切り開いた発見」て奴か
確かジャンプ作家だと、藍本松先生なんかも丸ゴマを使ってたなぁ~
まぁアレっすね、これでジャンプ流は取りあえず終了ですが
何ならもっとコアな作家のも出して欲しいくらいっすね
ジャンプ流「尾玉なみえ」号とかね~~~
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※あなた…『覚悟して来てる人』…………ですよね
ブログに「コメント」しようとするって事は
内容次第では「削除」されるかもしれないという危険を
常に『覚悟して来ている人』ってわけですよね…